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第1回腐敗防止年次フォーラム

開催レポート

​ 2018年9月28日、麗澤大学東京研究センターにて、海外贈賄防止委員会(ABCJ: Anti-Bribery Committee Japan)とグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ: Global Compact Network Japan)共催の第1回腐敗防止年次フォーラム「いかに日本企業は腐敗に立ち向かえるか―現場を孤立させないための実践と協働に向けて」が開催されました(文責:ABCJ事務局 高橋大祐/藤野真也)。 

腐敗防止年次フォーラムとは?​ 

 

 海外における贈収賄については一社だけでは解決できない課題も存在し、企業その他のステークホルダーが協働して取組を行うコレクティブアクションが有益な場合があります。このような趣旨で、ABCJは、GCNJによる「腐敗防止強化のための東京原則」の策定を支援してきましたが、さらなるコレクティブアクションの輪の拡大のために、腐敗防止に取り組む関係者が一同に会し議論を行う場として、この度、ABCJ と GCNJ 共催の腐敗防止年次フォーラムを企画しました。

定期開催に向けGCNJとパートナーシップに関する覚書を締結

 

 フォーラム開催にあたって、ABCJはGCNJとコラボレーション・パートナーシップに関する覚書を締結し、腐敗防止年次フォーラムを共同で継続開催していくとともに、腐敗防止コレクティブアクションを共同で推進していくこととなりました。

第1回フォーラムのキーワードは「コンプラ断絶」

 

 新興国・途上国への進出を強化している日本企業では、本社と現地の間で「コンプラ断絶」が生じていることが、大きな問題となっています。コンプラ断絶とは、コンプライアンスの問題に関して、本社側と現場側で連絡や協力が十分に図れなくなる状況を言います。本フォーラムは、このコンプラ断絶をキーワードに、「現地の腐敗の現実」と「本社の腐敗防止強化の要請」との間で引き起こされる問題を、正面から取り上げました。

国連グローバル・コンパクト本部などから届いた歓迎メッセージ

 

 フォーラムは、齊藤誠弁護士(日弁連弁護士業務改革委員会CSRPT座長/ABCJ)と横石邦彦GCNJ 事務局次長の挨拶を皮切りにスタートしました。横石氏の挨拶のなかでは、国連グローバル・コンパクト本部のChristina Koulias氏からのビデオメッセージも紹介され、日本の企業社会における腐敗防止の取り組みについて、国際社会の期待が高まっていることが確認されました。

齊藤誠弁護士(日弁連弁護士業務改革委員会CSRPT座長/ABCJ)による開会挨拶

横石邦彦氏(GCNJ 事務局次長)による開会挨拶

国連グローバル・コンパクト本部のChristina Koulias氏からのメッセージ

インドネシアほか東南アジアからの現場報告

 

 第一部では、まず西垣健剛弁護士(ABCJ)による基調報告「ABCJ インドネシア現地調査報告―汚職撲滅委員会 KPK との対話をふまえ」が、そして、ビジネスリスクコンサルタントの佐藤剛己氏(ABCJ)による特別報告「現地の課題とガバナンス補給線の重要性-東南アジアの現場報告」が行われました。西垣氏は、インドネシアの事例を通じて、新興国における腐敗防止体制強化の動向を、佐藤氏は新興国における腐敗行為蔓延の状況を、それぞれ紹介されました。

西垣健剛弁護士(ABCJ)による基調報告

第1部パネルディスカッション:「コンプラ断絶」の修復における経営の役割

 

 続くパネルディスカッションでは、上記の議論を参考に、新興国における深刻な腐敗の現状と、その中で芽生えつつある腐敗防止の機運を捉えつつ、日本企業のとるべき対応について、経営の立場から議論が展開されました。國廣正弁護士(ABCJ)をモデレーターに、須藤亜紀氏(大塚製薬株式会社/GCNJ 腐敗防止分科会)、高巌氏(研究者/ABCJ)、吉田武史弁護士(公認不正検査士/ABCJ)に、上記報告者2名を加え、活発な議論が繰り広げられました。

第1部パネルディスカッションの様子。左から、モデレーターの國廣正弁護士(ABCJ)、吉田武史弁護士(公認不正検査士/ABCJ)、須藤亜紀氏(大塚製薬株式会社/GCNJ 腐敗防止分科会)

第1部パネルディスカッションの様子。左から、西垣健剛弁護士(ABCJ)、佐藤剛己氏(ビジネスリスクコンサルタント/ABCJ)、高巌氏(研究者/ABCJ)

第2部パネルディスカッション:ステークホルダーの協働と東京原則の実践

 

 第二部では、第一部の議論を踏まえ、現場の課題を意識しつつ、ステークホルダーがいかに協働できるかについて、腐敗防止東京原則の普及・実践を含め、議論が行われました。GCNJ事務局長の大場恒雄氏がモデレーターをつとめ、後藤裕子氏(信越化学工業株式会社/GCNJ 東京原則署名)、北島純氏(経営倫理実践研究センター)、竹内朗弁護士(公認不正検査士/ABCJ)、中野竹司弁護士(公認会計士/ABCJ)の間で、現場の課題を意識しつつ、企業とその他ステークホルダーとの間でいかに協働関係を構築するかについて、活発なディスカッションが展開されました。

第2部パネルディスカッションの様子。左から、北島純氏(経営倫理実践研究センター)、竹内朗弁護士(公認不正検査士/ABCJ)、中野竹司弁護士(公認会計士/ABCJ)

第2部パネルディスカッションの様子。左から、モデレーターの大場恒雄氏(GCNJ事務局長)、後藤裕子氏(信越化学工業株式会社/GCNJ 東京原則署名)、北島純氏(経営倫理実践研究センター)、竹内朗弁護士(公認不正検査士/ABCJ)、中野竹司弁護士(公認会計士/ABCJ)

フォーラム終了後には懇親会を開催

 

 最後は、麗澤大学経済学部教授高巖氏による閉会のあいさつで締めくくられ、フォーラムは盛況に終わるとともに、その後の懇親会にも多数の方々が出席し、関係者が立場を超えて腐敗防止に関する日常の取組や悩みを共有し、交流を深める良い機会となりました。

高巌氏(研究者/ABCJ)による閉会挨拶